哲学コンサルティングの特徴
株式会社TETSUGAKUの哲学コンサルティングでは、問題の捉え方や対処法を、お仕着せの単純なメソッドに落とし込むことはしません。あくまでクライエントの置かれた現状に具体的に即していくことからスタートします。対話を通じて、その現状を多角的に分析し、詳しく掘り下げ、そこに含まれる「意味」や「構造」、様々なコンテクストのなかでの「位置づけ」を浮かび上がらせていきます。
哲学コンサルティングの特徴は、その際の方法にあります。
哲学は、歴史的な展開のなかで、様々な思考の方法を育んできました。そのうち、われわれが大事にしているいくつかの方法を紹介しましょう。
問いの技法
「哲学は決まった答えがなく、意味がない、無駄だ」などと言う人がいます。しかし、もったいないことです。
哲学に決まった答えがないように見えるのは、それが一つ一つの個別的な現実やそのつど違う状況を無視しないからです。哲学こそ、あらゆる現実に、あらゆる問題に、それぞれの独自性や個別性に応じて、細やかに寄り添っていく智恵なのです。
その際、鍵となるのは、「答え」ではなく「問い」です。
これまでの歴史の中で、哲学はあらゆる仕方で「問い」の方法を鍛え抜いてきました。どのように問うか?それが哲学の生命線であり、他にない特性です。
なぜ問いが重要なのでしょうか? それは、うまく問うことによって、自分自身や他の人々から、これまでになかった知見を引き出すことができるからです。つまり、ある意味で、答えはすでに自分たちのうちにあるのです。しかし、それは簡単にはアクセスできない仕方で「暗黙知」や「集合知」のうちに眠っています。それを眠りから引き出し、眼に見える形にまで整えていく鍵となるのが、哲学的な問いなのです。
だから、哲学コンサルティングで中心的な役割を果たすのも「問い」になります。「問い」を重ねることによって、コンサルタントとクライエントがインタラクティヴに、一緒に答えを見つけていきます。その答えも絶対的なものではなく、状況の変化やステージの変化に応じて、絶えず問い直されるべきものです。
そのような「問い」を中心にしたプロセスに立脚するのが哲学コンサルティングであるといえるでしょう。
少なくともわれわれ株式会社TETSUGAKUはそのように考えています。
哲学的な思考の技法
ほかにも、たとえば以下のような方法を自在に組み合わせて用いています。
- 思考の脱臼法:無意識の前提を自覚化し、それを外してより自由に思考できるようになる方法(ディスロケーションとリロケーション(dislocation and relocation):脱臼=位置を乱す→再配置=別の位置に視点を移動
- 思考実験:頭のなかで現実を色々と実験的に変形して考えてみる。
- 誇張法:極端なケースを考えてみる。それによって現実を成り立たせている条件を探る。
- 非現実の想定:現実にはありえないことを想定して前提関係やロジックを明確化する
- 普遍化と例外の摘出:可能な限りの普遍化を行い、例外を炙り出す。
- 媒介論的思考:「何によって媒介されているか」をつねに考えることで、より広い視野から現実を見ることができる。対立を固定化せず、対立したものを相互媒介において捉える。それによって固定化された対立図式から脱け出す。たとえば、個別と普遍、具体と抽象が互いに緊密に媒介しあうさまを捉える独自の見方を掘り当てていく。

